2023-11-17

あなたが私をひとつも見てくれないとしても、この哀れな恋のかがやきがいつもここにあることがうれしい。あなたの横顔を見ると胸がきゅっとなること、2本目の煙草に火をつける瞬間、私はいつも苦しいほどの恋の光を感じる。どれだけ年老いてもきっと忘れることのない一瞬。どこにでもあるような川の水面がいちいち煌めいて、どこにでもいるような鳩が木の実を啄むようすにすら生命の神秘と奇跡さを感じて、曇った空の惨めな顔だって瞼に焼きつく。そんな景色のなかであなたの白い肌だけが変に浮ついていて、おかしいなあって思いながら、あなたは綺麗なひとだって単純な言葉も言えず俯いたまま。あなたを好きだというそれだけで嬉しいはずなのに、私はいつもそれ以上を望んでいて、どうにかあなたの人生に存在したいと思ってしまう。スーパーで歯磨き粉やティッシュを買うあなたの姿を見てみたい。あなたがこの世界に愚直に息をしていて、私はそういうあなたが好きで、そういうことばかりに囚われて生きていたいと思う。あなたはこんな私のことを子どもだって笑うんだろうけれど。あなたががんばらないようにすること、私にも手伝わせてくれないかなあ。

そうやって車道側を歩こうとしてくれるとき、異性として見てくれてるのかなって単純によろこんでいること、気付いてるの?気付いていないだろうなあ、私はいつも天邪鬼だし。きみじゃないひとには、大好きだよ!ってへいきで言えるくせして、きみにだけは言えない。いつもきみとだけうまく話せない。声を出したって、あ、いまのおかしかったかなあって瞬間的に後悔したりしている。きみを好きになってだめになっちゃったところも、ちゃんとし始めた部分も同時に存在していて、でもそれって根源を考えたらきみに好かれたいなあってそれだけなんだと思う。だからいま、生徒として好きでいてくれているかもしれないのに、それを私の好意でこわしちゃっていいの?ってたくさん考えているよ。ぜんぶきっと自分本位で、恋ってキモくってかわいいね。キモいなって笑っていいから、好きでいることだけは許してくれる?きみのこと書こうって思うといつもオチがだいすきになっちゃって、それしか言えない自分が大嫌いで最悪で大好き。